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日本人は英語が苦手だとよく言われています。そのため、英語に苦手意識をもつ前に、幼児や子どもの頃から英語教育をしておき、英語が得意な大人に育ってほしいと思う保護者は多いものです。では、子どもの英語教育はいつから始めるべきなのでしょうか。本記事では、子どもの英語教育はいつから始めるべきか、早期に始めるメリットや注意点、ポイントについて解説します。
子どもの英語教育はいつから始めるべき?
子どもの英語教育はいつから始めるべきなのか、決まった目安はありません。ただし、以下の3つの理由から、出来る限り早い方がいいとされています。
小学校3年生から英語が必修に
2020年度から学習指導要領が新しく変わり、小学校3年生から英語が必修となりました。これまでは小学校5・6年生で導入されていた「外国語活動」が前倒しとなり、小学校3・4年生で実行されることになったのです。ただし、これはあくまでも歌やダンスなどを通じて英語に触れることが目的であり、授業ではあっても成績がつくものではありません。
そして、小学校5・6年生では英語が正式に「教科」として教科書が使われ、成績がつけられます。小学校3・4年生では聞いたり話したりする音声学習が中心ですが、小学校5・6年では読んだり書いたりする学習が追加され、英語の4技能をバランスよく育てていきます。そして、小学校のうちに、600〜700語程度の語彙を増やすことが目標とされています。
また、中学・高校ではより実用的なコミュニケーション、ディスカッション、プレゼンテーションなどを含む英語教育が中心となります。特に中学校からは、英語で英語を教え、授業中のコミュニケーションもすべて英語で行うオールイングリッシュの授業が行われる予定です。そのためには、小学校のうちに英語によるコミュニケーションの基礎をしっかり固めておくことが重要です。
英語を学習しやすい時期が限定されている
言語学習には臨界期というものがあり、諸説ありますが、5~12歳前後、遅くとも15歳ごろには臨界期の終わりを迎えるといわれています。臨界期とは、言語をスムーズに学べる時期のことであり、小学校で英語を学び出す3・4年生ごろにはもう臨界期を迎えていてもおかしくありません。このため、語学学習は早ければ早いほど良いとされているのです。
また、日本語と英語では使われている周波数も、音の数も大きく異なります。これも一説には英語で使われている音は1808音、日本語で使われている音は108音とされており、日本語を聞くことばかりに慣れてしまうと、英語で使われる多様な音を聞き取れなくなってしまう可能性があるのです。
さらに、一つの言語を習得するためには約2,000〜3,000時間程度かかるとされています。新学習指導要領になったとはいえ、小中高の授業時間は合わせても約1,130時間程度であり、一つの言語を習得するためには全く足りないと考えられます。そこで、幼少期から英語に親しんだり、英語を学ぶ機会を持ったりすることで、足りない学習時間を補完することが出来ます。
英語を「勉強」にしないために
英語が勉強になる前に、コミュニケーション手段として日常の一部に出来れば、英語への抵抗感が薄れると期待出来ます。幼児期から英語に触れておけば、日本語と同じような感覚で英語を聞いたり使ったりすることが出来、英語を勉強しているという感覚をもたずに遊びながら英語に触れ、英語に慣れられます。
すると、小学校で英語の授業が始まってからも、「間違えたらはずかしい」「発音がわからないから話せない」などの抵抗感をもちにくくなります。何でもスムーズに吸収出来る幼少期に英語に触れておくことで、英語に対する不安感や抵抗感を減らすことが出来、英語は楽しいものだと思えるようになるでしょう。
子どもの英語教育を早期に始めるメリット
子どもの英語教育を早期に始めるメリットについて、4つのポイントを解説します。
子どもは吸収が早い
英語に限らず、子どもは脳細胞が活発に作られる時期であり、なんでも吸収力が高いという大きなメリットがあります。この学習能力・吸収力が高い時期に英語教育を始めることで、英語に慣れ親しみ、覚えることに高い効果が見込まれます。幼児期には親や周囲の大人の真似をしてどんどんさまざまなことを覚えていきますが、英語も同じです。
大人になってからの英語学習と、子どもの頃からの英語学習のスピードや効果に差が出やすいのは、こうした吸収力の差によるものです。特に2〜5歳の間は、見よう見まねで言葉や仕草を身につけていく時期でもあります。この時期に英語にたくさん触れられる環境を作ることで、効率的に英語を学べると考えられます。
英語脳や英語耳が育つ
早期に英語教育を始めることで、英語で話すときは英語で考える「英語脳」や、英語を聞き分けられる「英語耳」が身につきやすくなるとされます。多くの日本語話者が英会話が苦手な理由の一つとして、聞き取った英語を脳内で和訳し、日本語で考え、それをまた英訳して話しているため会話のスピードが遅くなりがち、というものがあります。これは、「日本語脳」の回路しかないためです。
しかし、聞き取った英語を英語のまま理解し、英語で考え、そのまま英語を口に出すことが出来れば、ネイティブの英語話者と同じ脳の回路を使ってスムーズに会話が出来ます。これが「英語脳」です。このように脳の言語中枢分野に「日本語脳」と「英語脳」を両方作れるのも、より早い時期に英語を学習することで期待出来る効果の一つです。
また、前述のように日本語と英語の周波数は異なり、使われている音の多さも異なります。つまり、英語を聞き取れるようになるためには、日本語の音だけ聞いていては難しいということです。出来るだけ早いうちからネイティブスピーカーが話す英語の音を聞き、日本語にはない英語だけの音を聞き取れる「英語耳」を育てておくことも、英語でコミュニケーションを取るのに重要なことです。
聞き取れるようになると同時に、ネイティブの発音を真似して英語を発しているうちに、ネイティブにより近い発音が出来るようになる可能性も高いです。特に2〜5歳ごろ、何でも真似しながら学んでいく年齢のうちに英語の発音をたくさん聞かせ、真似させることが出来れば、より正確な英語の発音を習得しやすくなるでしょう。
遊びながら英語とともに多様性を学べる
幼児期から英語に触れることで、英語を勉強としてではなく、遊びの中で楽しく英語を学べます。英語の歌やダンスなどで遊びながら英語を学ぶことは、英語とともに英語圏の文化を学ぶことにもつながります。日本語と日本文化だけでなく、英語圏の文化にも触れることが出来、将来的に多様性への寛容性も身につけやすいです。
そもそも、偏見や差別は意識的に行っているわけではなく、無意識のうちに行ってしまうものです。日本では特に、日本語と日本文化の中だけでも十分に生きていけてしまうことから、どうしても日本の常識や狭い視野だけを持ったまま、多様性に対応出来ない大人になってしまうことも考えられます。
そこで、英語と英語圏の文化に子どもの頃から触れておくことで、日本とは違う常識や視野があることを自然に受け入れやすくなるでしょう。グローバル化が進む社会の中で、主体性や積極性をもちながら、多様性に対する理解や柔軟性、国際的な視野を持つ人材を育てることは非常に重要です。
イマージョン教育を受けやすい
早期教育で英語を学ぶ方法の一つとして、イマージョン教育という手法があります。イマージョンとは「浸かる」という意味で、イマージョン教育とは英語などその言語にどっぷり浸からせることで、言語を本来の意味でのコミュニケーション手段として学ぶことが出来る教育方法です。
イマージョン教育では、母語と同じように英語でコミュニケーションをとり、ほかの教科を学んだり、日常会話をしたりするのもすべて英語で行います。英語に浸からせるイマージョン教育の時間をたっぷりとるためには、幼児期のたっぷり時間がとれる時期が最適だと言えます。英語学習に必要な時間を補完するにあたっても、イマージョン教育を行えばより効果的な学習が出来るでしょう。
英語教育を早期に始める注意点
英語教育を早期に始める注意点について、3つのポイントを紹介します。
成果がすぐに出ないことを理解する
上記でご紹介したような多くのメリットは、一朝一夕に身につくものではないことに注意しましょう。早期英語教育では確かにさまざまなメリットがあり、特に発音やイマージョン教育による積極的な発話などでは成果が得られやすいと言えます。しかし、英会話教室に通わせたらすぐに結果が出る、と考えるのは早計です。
保護者としてはつい結果を急いでしまい、子どもがキレイな発音で英語を話し始めたり、英語で話しかけてくれたりするのを期待してしまうものです。しかし、結果を急ぎすぎては子どものプレッシャーになり、かえって英語への抵抗感が出てしまうかもしれません。保護者は長い目で見守り、子どものペースで成長していくのをじっと待つことが必要です。
座学にしたり、無理強いしない
英語をテストや受験のための勉強にしてしまっては、結局文法や単語を覚えるだけに終始してしまい、コミュニケーションのための英語を学ぶという実践的な英語が身につきません。特に、座学として教科書やワークブックに向かわせてしまうとこのような傾向が強くなるため、出来るだけ座学にしないような工夫が必要です。
また、幼児期に英語に触れることは子どもの意思というより、親の意思が大きくかかわってくることでしょう。それ自体は仕方のないことですが、子どもが嫌がっているのに無理強いしたり、強制的に英語教育を押しつけたりしてしまうと、英語そのものを嫌いになってしまいかねません。
英語が勉強にならないためにも、親の自己満足や無理強いにならないためにも、子どもにはあくまでも英語を楽しんでもらう、英語をコミュニケーションとして使ってもらうということを念頭に置き、子どもが自ら英語を楽しい、使ってみたいと思えるような環境を用意するようにしましょう。
日本語教育もしっかり行う
日本に住んでいる場合、基本のコミュニケーション手段は日本語です。英語を学ぶと同時に、幼稚園や学校でのコミュニケーションに困らないよう、日本語教育もしっかり行いましょう。こうすることで、どちらの言語もあまり話せない「ゼロリンガル」や、中途半端にしか話せない「セミリンガル」などになってしまうリスクも防げます。
早期英語教育を行うと、日本語の習得に悪影響なのではと心配する保護者が多いのも、ゼロリンガルやセミリンガルになってしまうことを懸念してのことです。実際に、英語ばかり学ばせて日本語教育はほとんどしない、としてしまうと、母語をきちんと使いこなせない可能性もあります。
また、日本人である以上、日本人としてのアイデンティティを失うことも避けなくてはなりません。そのためには、母語である日本語や日本文化の理解も重要です。英語を学ぶのと並行して、日本語や日本文化についての教育もしっかり行い、両方の言語に触れる時間をしっかり確保しましょう。
英語の早期教育を行う際のポイント
英語の早期教育をより効果的に行うためのポイントについて、3つ解説します。
英語の「音」を重要視する
「英語耳」のところでも話したように、英語は音が多彩で発音や聞き取りが重要な言語です。そのため、英語の音をしっかり学べるよう、読み書きよりも聞いたり話したりすることに重点を置いた教育を行いましょう。また、英会話教室などに通い、子ども自身が自発的に英語でコミュニケーションがとれる相手を持つことも重要です。
動画やアニメなどを使ってネイティブの発音を聞くことは難しくありませんが、英会話の練習のためには、英語でコミュニケーションがとれる相手を持ち、子どもが自ら発話することも重要です。英語で自分の考えなど会話が出来る環境があれば、英語を積極的に使うことが出来、学んだ英語が定着しやすくなるでしょう。
子どものペースで、長期的な視野をもつ
子どもは吸収スピードが早いといっても、一人ひとり学びのペースは違います。保護者はほかの子と比べたりすることなく、自分の子どものペースに合わせて学ばせましょう。下手に「○○ちゃんはもうあれが出来るのね」などと言ってしまうと、子どもは純粋に英語を楽しめなくなってしまいます。
また、英語学習は長期的な視野で行うことも重要です。前述の「成果がすぐに出ない」ということともつながりますが、親はすぐに成果を求めるのではなく、子どもがコツコツと少しずつ伸びていく様子を長い目で見守っていくことが必要なのです。大人のビジネス英語のように短期間で学ぶのではなく、日常の一部としてじっくり学んでいくイメージで行いましょう。
子どもの「学びたい」という気持ちを尊重する
強要になってはならない、ということともつながりますが、早期の英語教育はあくまでも遊びやゲーム感覚で、保護者も一緒に楽しんだり、褒めてやる気を伸ばしたりすることが重要です。子どもが何かを成し遂げたとき、楽しそうにしているときにはたくさん褒めて、子どもに「英語は楽しい」「もっとやりたい」と思ってもらえるようにしましょう。
保護者に出来るのは、環境を整えることです。決して親から子どもに「やらせる」形にならないようにしましょう。保護者も子どもと一緒に楽しみながら英語の絵本や歌を読んだり歌ったりして、子どもの自主性や好奇心を引き出すような環境を整えるのがおすすめです。子どもの様子を見ながら、子どもの興味・関心を引いて好奇心をくすぐりましょう。
英語教育にいつからという目安はない。早く始めるなら、ぜひイマージョン教育を
英語教育にいつからという目安はありません。しかし、英語脳や英語耳を作る、勉強にならないうちに英語を始める、言語学習のために必要な時間を確保するなどの意味で、早く学び始めれば始めるほど良いとも言えます。特に、日本語と同じように吸収しやすい幼児期などは絶好の環境です。
とはいえ、早期英語教育の方法が子どもにとって無用なプレッシャーになったり、子どもにとって無理強いするような時間になったりしては逆効果です。明光キッズeなら、少人数の学童保育で楽しみながら1日最大5時間、イマージョン教育で英語漬けの時間を作れます。ぜひ、一度ご検討してはいかがでしょうか。
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