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一般的に「英語耳」と呼ばれる力の正体をのぞいてみよう
「まだ英語を習っていないのに、英語の歌を
きれいな発音で口ずさんでいる。」
「ネイティブの先生の話し方を、
そのまま真似していて驚いた。」
そんなお子さまの姿を見て、
「子どもは耳がいいから」と
聞いたことがある方も
多いのではないでしょうか。
実は、この現象には
子どもの脳と言葉の発達が
深く関わっています。
今回は、一般的に「英語耳」と
呼ばれることもある
乳幼児期の音声知覚(音を聞き分ける力)
について、研究で分かっていることを
もとにご紹介します。
生まれたばかりの赤ちゃんは、多様な音の違いに気づきやすい
生後間もない乳児は、日本語だけでなく、
様々な言語に見られる音の違い(音韻)にも
大人より広く反応できることが
示されています。
しかし、生後6〜12か月頃になると、
毎日耳にする言葉に合わせて脳が発達し、
日本で育つ子どもは日本語の音に、
英語圏で育つ子どもは英語の音に、
より敏感になっていきます。
これは「外国語の音が聞こえなくなる」
という意味ではなく、
母語を効率よく身につけるための
自然な発達の過程と考えられています。
「英語耳」は、生まれつきの才能ではなく、経験によって育まれる
ここで誤解したくないのは、
「幼いうちだけが勝負」という
わけではないことです。
幼い頃はさまざまな音の違いに
気づきやすい一方で、それだけで
英語が身につくわけではありません。
研究者のPatricia K. Kuhl氏らは、
生後9か月の乳児を対象に、
中国語(北京語)の音に触れる
実験を行いました。
その結果、
ネイティブスピーカーと対面で
交流しながら中国語に触れた乳児は、
中国語の音の違いを聞き分ける課題で、
対照群より良い成績を示しました。
一方で、同じ内容を録画映像や
音声のみで提示した条件では、
同様の結果は確認されませんでした。
このことから研究者らは、
乳児期の言葉の学びには、
人とのやり取りが重要な役割を
果たしている可能性を指摘しています。
発音の上手さより、「伝えたい」という気持ちを育てる
幼児期や小学生の英語教育では、
「ネイティブのような発音」を
目標にする必要はありません。
むしろ大切なのは、
・あそびや歌を楽しむ
・リズムに合わせて声を出してみる
・「伝わった!」という喜びを感じる
そんな体験を積み重ねることです。
文部科学省の学習指導要領でも、
外国語教育では、言語による
見方・考え方を働かせながら、
外国語でコミュニケーションを図る
資質・能力を育成することが
目標として示されています。

「音」を楽しむことから始めよう
英語に親しむ時間は、
特別な勉強である必要はありません。
英語の歌を親子で歌ったり、
絵本を読んだり、
「Good morning!」「Thank you!」
など短い言葉を生活の中で使ってみたり。
そうした小さな体験の積み重ねが、
「英語って楽しい」という気持ちを
育みます。
英語は、単語をたくさん覚えることから
始めなくても大丈夫です。
まずは音を楽しみ、
人とやり取りする楽しさを知ること。
その一歩が、子どもたちの
「英語が好き!」につながっていきます。
明光キッズeでも、ネイティブ講師との
コミュニケーションや歌・ゲームなどを
通して、子どもが「音から英語を楽しむ」
体験を大切にしています。
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参考文献
Kuhl, P. K. (2004). Early language acquisition: Cracking the speech code. Nature Reviews Neuroscience, 5, 831–843.
Kuhl, P. K., Tsao, F.-M., & Liu, H.-M. (2003). Foreign-language experience in infancy: Effects of short-term exposure and social interaction on phonetic learning. Proceedings of the National Academy of Sciences, 100(15), 9096–9101.
Werker, J. F., & Tees, R. C. (1984). Cross-language speech perception: Evidence for perceptual reorganization during the first year of life. Infant Behavior and Development, 7(1), 49–63.
文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編』
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